Aqutras Members' Blog

株式会社アキュトラスのメンバーが、技術情報などを楽しく書いています。

KPTでたのしく「ふりかえり」

こんにちは。 id:naosuke2dx です。最近肩こりと頭痛で死にそうになってます。
4日に梅雨入りが発表されましたね。。
1ヶ月ほどジメジメとしますがアキュは元気にブログを更新していきます!

さて、今回は「ふりかえり」をテーマにしたいと思います。
特にふりかえり手法であるKPTについて紹介したいと思います。

そもそもふりかえりをなぜするのか

みなさんはなぜふりかえりをしますか?
「過去の失敗を繰り返さない」、「良かったことを今後もいかす」、「注意すべき点を共有する」などがあると思います。
しかし、ふりかえりを行う際、悪いことばかり考えてしまったり、問題点等は見つかっても「次どうするか」といった部分に進めれなかったりします。
チームでやる場合、問題がいろいろと複雑で迷宮入りをしてしまう可能性があります。
そんなとき、ふりかえり手法KPTを試すとうまくいくかもしれません。

ふりかえり手法 KPT

KPTとは、ふりかえりの流れや内容をうまく整理するできる手法(フレームワーク)です。

ふりかえりの際、よかったこと、わるかったことを「Keep」、「Problem」とし、それらから次回に取り組む「Try」を抽出するものです。 このときの3つの頭文字からとってKPT(自分たちはケプトと呼んでます)というふうになっています。

KPTをするときには、左上にKeep、左下にProblem、右側にTryと区切って、それぞれの枠にK、P、Tを書いていきます。
イメージとしてはこのような図なのですが、皆さんどこかで見たことがあるのではないでしょうか?

f:id:naosuke2dx:20160606194236p:plain:w300

K、P、Tについては、それぞれこんなことを書いていきます。

  • K: 今回の取り組みでよかったこと、今後も続けていきたいこと
  • P: 今回の取り組みの問題点、あまりうまくいかなかったこと
  • T: 次にためしたいこと

ここで注意としてはKもきちんと書くということです。
おそらくいろいろと問題点ばかり目につくと思いますが、良かったことにも目を向けることが大事だそうです。
「何がよかったのか」なども明文化することができ、暗黙知を共有することもできるからです。

また、特にTについてですが、行動可能なようにどうするかを書くことが大事です。
「しっかり〜〜する」 とか 「ちゃんと〜〜する」 とかは非常に良くない書き方なので気をつけましょう。 また、「〜〜に気をつける」というのも同様に良くない書き方です。 というのも、定期的にKPTを行うと、前回のTryが実践できたのかできていないのかというのも評価します。
そのとき、「しっかり〜〜する」と書かれていて、それが実践できたかどうかというのは判断できないと思います。
加えて、「ちゃんと〜〜する」という目標だと、具体的な行動に移しづらいという問題もあります。
「しっかり〜〜する」の場合だと「毎回、〜〜をするときは〜〜する」と言ったように、具体的なアクションに落とし込んで、実践しやすくなるようにしましょう。

KPTのやり方

ここでは、アキュでのやり方を紹介します。
KPTをするときは、プロジェクトに参加している全員でやります。

  1. まず5分程度の時間で、個人それぞれでK、Pについて書き出す
  2. その後、1人ずつ書いたことを言いながらK、Pについて貼っていく
    • そのとき、重複していればみんな貼る
  3. 全員分出尽くしたあと、Pの要因について15分程度ディスカッションする
    • 解決すべきPの優先度もつけたり
  4. 最終的に、KとPから次のとりくみに向けてのTを考える

ざっとこんな感じです。
チームメンバが多い場合は、ディスカッション時間が増えるかもしれません。 アキュでは、必ず時間を区切ってKPTを行っています。
これは、時間を区切らないとだらけるというのもありますし、KPTはあくまで手段であり目的ではないというのもあります。

また、基本的にはプロジェクト単位で行います。
プロジェクト単位で行う理由として、「自分でPと思っていないPが存在する」ことや、「Kだと思ってなくても実はKであるべき」といった、そういう盲点をなくす目的があります。
後述しますが、自分は個人的にKPTをしたとき、Kは一切でず、Pばかりが出てしまいました。 加えて、チームで次に試すTを話し合うことで、メンバ間での合意を取れ、かつメンバ間でのサポート等を得ることができます。

アキュでの実際のKPTの様子

アキュでの実際のKPTはこんな感じです。

こんなふうに、Tryに書くものは、K、Pのどれに起因しているのかを線で示しすこともあります。

f:id:naosuke2dx:20160607033626p:plain:w300

他プロジェクトの人に対して説明を行い、漏れがないか、気づいていない問題があるかなどの指摘をしてもらったりもします。

f:id:naosuke2dx:20160505201131j:plain:w300

KPTを自分のプロジェクトのみで完結するのではなく、アキュ全体も含めたふりかえりの形をとっています。

自分自身のKPT

先日、自分が色々とトラブルを起こしてしまい、それのふりかえりとしてKPTを行ってみました。
このときは、自分1人で行いました。すると、以下のようになりました。

f:id:naosuke2dx:20160606224207p:plain:w300

小さくて見づらいかもですが、Kが全くありませんでした…。
Kが思い浮かばないと、どんどん自己嫌悪に陥ってしまい、非常によくない精神状況になってしまいます。
また、自分が無意識に解決したりしていたPが発見できないという問題があります。

かならずKPTはチームで行うようにしましょう。
精神的にも非常に安定します。

まとめ

今回はふりかえりとKPTについて書きました。
ふりかえりをすることは過去の失敗を再度思い出す必要があり、痛みを伴うものだと思います。
しかし、このふりかえりによって失敗を未来に引き継ぐことを防ぐことができます。
KPTを通して、チームをよりよいものに改善していきましょう。


参考文献