Cocos2d-jsで簡単ゲーム開発
はじめまして、vitaminです。 初めて社内ブログの記事を書きます!
今回は、Cocos2d-jsでブラウザゲームを開発する方法について書きたいと思います。
現在開発中のシステムでCocos2d-jsを使っており、結構簡単に出来そうだったので、やってみようと思いました。
Cocos2d-jsとは
Cocos2d-jsは、Cocos2d-xというゲームエンジンのJavascriptバージョンです。
ブラウザ、Android、iOSに対応したゲームを簡単に作成できるようです。
今回は、ブラウザゲームを作ってみます。
動作環境
- Ubuntu14.04
- Cocos2d-x v3.0
- (Python2.7.6) ※ Linuxならデフォルトで入っていると思います
Cocos2d-jsの導入
- まず、公式のダウンロードページからCocos2d-xのv3.0のzipファイルをダウンロードします。
- 次に、ダウンロードしたzipファイルを展開します
- 展開したディレクトリ内に移動し、setup.pyを実行します
$> wget wget http://www.cocos2d-x.org/filedown/cocos2d-x-3.10.zip $> unzip cocos2d-x-3.10.zip -d cocos2d-x-3.10.zip $> cocos2d-x-3.10 $> ./setup.py
cocos help
でcocosのヘルプが出れば完了です。
Cocosプロジェクトの作成と動作確認
適当なディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行します
$> cocos new NewGame -l js -d .
NewGameは適当なゲーム名で実行してください。 すると、NewGameという新しいプロジェクトディレクトリが作成されていると思います。 次に、Cocos2dを起動します。
$> cocos run -p web --host 0.0.0.0 --port 3000
ブラウザから、http://<サーバのIPアドレス>:3000
にアクセスすると、Hello Worldのサンプル画面が表示されると思います。
Cocosプロジェクトのディレクトリ構造
プロジェクトのディレクトリ構造は以下のようになっています。
今回関係ある部分だけ抜粋しています。
NewGame/ ├ index.html ├ main.js ├ project.json ├ res/ │ ├ HelloWorld.png │ └ loading.js └ src/ ├ app.js └ resource.js
- project.json : プロジェクトの設定が記述されているファイル。特に、自作のjsなどを追加するときに編集する。
- index.html : 大元のhtmlファイル。ここでmain.jsを読み込んでいる
- main.js : ゲームを動作させるjsファイル。
- res/ : 利用するリソースファイルを格納する。画像とか
- src/ : 自作のゲームのシーンなどを作成して格納する。app.jsは初期のHello Worldが格納されている。
作成するゲーム
今回は、イルカが表示され、クリックしたところにイルカが寄ってくるという簡単なゲームを作成したいと思います。 サンプル画像はこんな感じです。
画像の追加
適当に良さそうなイルカの画像をres/ディレクトリに配置します。
今回はここからお借りしました。
イルカ01のイラスト|かわいいフリー素材、無料イラスト|素材のプチッチ
そして、src/resource.js
に画像のパスを追加します。
var res = { HelloWorld_png : "res/HelloWorld.png", Dolphin_png : "res/dolphin.png", };
ゲームのシーンの作成
Cocosでは(おそらくゲーム全般?)、まずゲームのScene(シーン)を作成します。
Sceneには、複数のLayerがあり、Layerの上には複数のオブジェクトであるSpriteが配置されます。
この辺の説明がわかりやすいと思います。
[cocos2dx] Sceneを作成する | studycocos2dx
自作のシーンを作成するため、src/dolphin.js
というファイルを作成します。
project.json
と main.js
も忘れずに変更します。
src/dolphin.js
// レイヤの定義 var DolphinLayer = cc.Layer.extend({ sprite:null, // レイヤのコンストラクタ ctor:function () { this._super(); var size = cc.winSize; // イルカのスプライトを追加 this.dolphin = new cc.Sprite(res.Dolphin_png); // スプライトの位置を中心に設定 this.dolphin.attr({ x: size.width / 2, y: size.height / 2 }); // レイヤにスプライトを配置 this.addChild(this.dolphin, 0); return true; } }); // シーンの定義 var DolphinScene = cc.Scene.extend({ onEnter:function () { this._super(); // 背景のレイヤを追加 var backgroundLayer = new cc.LayerColor(cc.color(170, 202, 222, 255)); this.addChild(backgroundLayer); //DolphinLayerのインスタンスを追加 var dolphinLayer = new DolphinLayer(); this.addChild(dolphinLayer); } });
project.json
... "jsList" : [ "src/resource.js", "src/app.js", "src/dolphin.js" ]
main.js(72行目あたり)
cc.LoaderScene.preload(g_resources, function () { // 動作させるシーンを変更 //cc.director.runScene(new HelloWorldScene()); cc.director.runScene(new DolphinScene()); }, this);
これで、以下のようにイルカの画像が表示されるようになったと思います。
イベントの追加
次は、クリックするとイルカが動くという動作を追加したいと思います。
DolphinLayerのctorに以下のコードを追加します。
var that = this; // EventManaerの追加 cc.eventManager.addListener({ // マウスイベントの登録 event: cc.EventListener.MOUSE, // イベント関数の追加 onMouseDown: function(e) { // イルカのスプライトのアニメーションを実行 that.dolphin.runAction( cc.Sequence.create( // 1秒で、クリックされた座標まで移動 cc.MoveTo.create(1, cc.p(e.getLocationX(), e.getLocationY())) ) ) } }, this);
これで完成です!!
まとめ
今回はCocos2d-jsを利用して、簡単なブラウザゲーム(?)を作成しました。
様々なAPIが用意されており、あまりガッツリ動作を書かなくてもいろんなことができそうだと感じました。
時間ができたらもっとしっかりとしたゲーム作ってみたいですね。
Aqutrasでシステム開発をしていると、未知のいろんな技術に触れることが出来て楽しいです!